恋人遊戯Ⅱ
今じゃ、嫉妬の嵐…。こんな事になるなんて思わなかった。
「……何か、私ばっかり話してる…。何か話せよ」
ぼんやりと、自分の思考に飛んでたから、突然呼ばれて俺は目を丸めて驚いた。
「俺?」
「…君以外に誰がいんだよ」
顔を上げた赤坂は、少しだけ目を赤くなっていたけど、いつもの口調で話し出した。
ホッとした反面、フト、前から気になってた疑問を思い出して聞いてみた。
「……何で、赤坂は俺の名前を絶対に言わないんだ?」
ずっと気になってた。
俺を呼ぶ時はいつも「君」って言っていた。
どうしてだろう? って気にしてたけど、何だか聞けなかった。
聞ける雰囲気を出してなかったから、何も聞かなかったけど…ずっと気になってた。
「……………聞きたいの?」
「聞きたい。どうせ俺にとって、あんまりイイ事じゃないんだろ? …分かってるから、言ってよ」
「…………知恵が付いたと言うか…。頭が回るようになったんだ」
「…っるせ。んで、何だよ」
呆れた感じで笑われたけど、今まで見た事のない表情に不覚にも…けなされたにもかかわらず思わずドキッとした。
けど、赤坂は視線を逸らして俺を見ない。