2つのタイヤ
俺は声が出なかった。


「君達のおじいちゃんとおばあちゃんがもうすぐ来てくれるみたいだから家で待っててもらえるかな?」


俺は涙をこらえながら「はい」と一言だけ言った。


弟達が「どうしたの?」と聞いてきた。

言いたくなかったが同じ兄弟、同じ家族として言わなくてはいけないと思い、口を開いた。


「お父さんとお母さんが死んだ。」
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