私の執事はロボット！？

窓を覗いて見ると明らかに華子の執事とカイトが校庭でにらめっこしていた。
「何してるあいつは。」
私は慌てて校庭に向かった。止めるぐらいならできるはず。急いで階段を下りカイトに向かって叫んだ。
「ちょっと待った！」
「大丈夫！私は負けません。」
おいおい。やる気満々じゃないすか〜。相手は空手出身ですよ？あなたに勝ち目ないですが？私はぽつんと一人で立っているしかなかった。止めても無駄だと思ったからだ。でも、少し見てみたい。ロボット相手に喧嘩なんて華子の執事も強いのはわかるけどカイトはロボットだからなんか計算とかしたり必殺技とか出して倒すかも。ちょっと興味が出て来た。
「なるほど、あなたは七海さんの執事でしたか。彼女に悪いですがあなたをスクラップにします。」
「私がロボットと知っていましたか。しかし、人間とロボットじゃ力の差がありすぎです。辞めといたほうがいいかと。」
「大丈夫。ロボット執事なら破壊した経験ありますから。」
今、ここに伝説となる戦いが始まる。いや、どうでもいい戦いの間違えだ。
「いきますよ。」
ゴックン。周りは息ができないぐらいぴりぴりした空気になっていた。なぜか、私が１番緊張していた。
「せ〜の。」
始まる。
「じゃんけんぽん！」
えっ？私の目がおかしいのかじゃんけんをしたような。気のせいなのか。
「残念ですね。カイト君、あなたの勝ちです。まさか、ぐーで来るとは。」
「あなたこそなかなかですよ。名は。」
「剛志。華子の執事をやっています。よろしく。」
なぜか二人は握手をして清々しい顔をしていた。よかったと思うが私の中にいるイライラ虫が暴れだした。
「あれ？七海お嬢さま。どうかしましたか？」
カッチーン。私はリミッターを外した。
「あんたが悪い！」
ボコ！私は怒りの鉄拳をカイトに食らわした。
「ロボットなのに痛い。」
「あんたなんか知らない。」
私は教室に戻った。