青空の下で投げた一球【編集中】
「黙れ!!」
「……。」
俺が怪我させたのに生意気で、
こんな台詞を叫んでいた。
「っ…、…黙って…救急車乗れ…」
突然元の俺に戻って美波は笑った。
「大地、鞄!!」
篠岡が遠くから走ってきて近づいてきた。
「投げて」
そぅ言うと篠岡は下から軽く投げた。
全身で俺の鞄を受け止めた。
「美波の鞄は?」
「あ、そこにある…」
そぅ言って美波が腕を伸ばすと―…
「った…」
一瞬顔をしかめた美波。
「…」
「美波…」
「…」
そっと左腕に触れると顔をしかめた。
あまり美波の腕を動かさないように
俺が動いて見ると、
美波の左腕は腫れ上がっていて、
赤黒くなっていた。
「っ…」
「大丈夫…」
「でも…俺っ…」
「大丈夫だって!!」
美波の大きな声にビックリして
顔を上げて見ると、
美波は苦そうな顔をしていた。
「大丈夫…だから……。」
「………。」
「大地はそんな顔しないで…?」
本当に…
美波は優秀なマネージャーだよ。
補欠の俺に、
何でここまで気を使うんだよ…。
切り捨てればいいのに…
美波が俺を構うから、
何だか胸が痛んだ…。