青空の下で投げた一球【編集中】
美波の両親が先生に呼ばれて
ドキッとした。
それから数十分してから
美波の両親が来た。
「左腕が骨折してて、
右足はヒビ、
左足首と右の脇腹を打撲ですって」
「……すみませんでした…。」
「いいのよ。
あの子、傷なんて山ほどあるし…」
「でも美波は女の子だし…っ…」
眉を寄せて、喉が詰まりながら、
苦しいけど声を出した。
強く握った拳は、痛い。
震える俺の肩を触れたのは、
美波のお父さんだった。
「大丈夫。傷は目立たないって…」
「…………ホント・・ですか?」
「うん」
「目立たないって…傷…」
「うん…。
娘の事、そんなに気にしてくれて
――ありがとう…。」
柔らかく笑った美波のお父さん。
なぜか優しくされて
涙が出そうになった。
「美波…は…」
「今日から入院するって…。
病室は308号室―」
俺は病室が分かった瞬間
走り出した。
ガラガラ――バンッ
「大地…」
「大丈夫…なのかよ…」
美波に巻かれている包帯が
見てられない。
頭にもバンソコウが貼っている。
「っ…」
「大丈夫!!」
でも、美波…お前、苦笑いだぞ。
いっそ、強く怒ってくれれば
少しは楽になるのに…。
お前はこんな場面でも
『マネージャー』なんだな…。
俺なんか気にしなくていいのに…。