青空の下で投げた一球【編集中】
「痛…い……?」
「ちょっとね」
ダッダッダッ
走る音がした。
「あぁー篠岡か―…ガラッ
「田辺大丈夫か?」
「うん大丈夫」
「びびったから、ホント…;;」
「…」
「骨折?」
「左腕はね。後は捻挫と打撲とか」
「そっか」
「あ、美波…跡…つかないって!!」
「うん聞いた」
「良かったな!!」
「うん」
「あ、大地、じぃちゃんが送ってくって」
「あ、マジで?ありがと」
そんな短い会話をして
俺と篠岡は病室を出た。
「明日から……自主連禁止だって」
「わかった。」
「気にすんなよ…。」
篠岡は俺を慰めるために言ったのかも。
だって俺はいつもの俺じゃないって
自分でもわかってたんだから。
「気にする!!」
「アイツ…記録員でもいいから
ベンチ入りたいって言ってたんだぞ!?
気にするに決まってるだろ!?
アイツ、補欠の俺にも気に掛けたり…
アイツ今まで……俺らの世話、
すんげぇしてくれただろ!?
なのにそんな…
気にするなとか美波に失礼だろ!!」
「でも今のお前には
『気にすんな』しか言えねぇだろ!!!!」
篠岡が珍しく怒鳴った。
言った後に、後悔した。
ここは病院で、
すぐ近くには美波がいるのに…。
それに篠岡も…。
言われて気がついた…。
「……ごめん、」
「ぃや、俺も怒鳴ったし…。」