青空の下で投げた一球【編集中】
episode:3
1年の秋
ブルペンで初めて篠岡の隣で投げた。
いや、最初で最後だ。
「篠岡、ストレートな!!」
「はいっ」
隣で爽やかに投げる篠岡。
2年と組んでるしさ…。
その時は嫉妬と苛立ちしか無かった。
3コースあるブルペンの中に、
篠岡が投げたストレートをキャッチした音が鳴り響いた。
初めて篠岡証治の投球を
こんなに近くで見たんだ。
篠岡はもぅ何回投げたのかな?
俺は何回投げたのか、
何回まで数えていたのかも忘れていた。
ただ…篠岡の投球に見とれていた。
期待の左腕。
エース候補。
スリークォーターの投球フォーム。
全部頭の中をぐるぐるしていた。