青空の下で投げた一球【編集中】




「………。」


内海が自分から言い出した。


内海は自信を持ってもいい選手だと思う。

でもそれは『足』での話。

攻守ではもぅ少し、

『足』に関しては学校一だと思う。

内海はセンスあるんだ。



そんな内海があんな真剣な顔してる……


盗塁しろよ!!






内海が走ってセカンドに行った。


「――――…ふッッ…」

バッターボックスに入って息を吐いた。



今日の成績は3ー2

この打席打てなくても5割だ。

でも俺はこの打席が1番大事な打席だと思う。


欲は言うな。

シングルでいい!!

1打席目思い出せ!!
















――――…すげぇな……。


野球が楽しい。

まだ試合していたい。

まだまだ勝負していたい。



「花田打てぇーッッ!!」


すげぇ楽しい。


西本が出て

島本が送って

内海が自ら代走起用を頼んだ。



代走についた前に内海が言った

『絶対ホーム還るから』

の言葉…。


いつも弱気な内海が、

俺の目を強く見て言ったのが

嬉しくて消えない。





楽しい――…

嬉しい――…



「……、…ック…ッ、…、…」



――…初めて自分が出した決断を後悔した。



ライトでもいいから

スタメンとして使ってもらえていたら、

俺はまだ次の試合も

こんな楽しい試合ができたんだ。

もしかしたら投手として

使ってもらえていたかもしれない。


初めてこんなにも激しい後悔をした。


初めて後悔で涙を流した。






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