青空の下で投げた一球【編集中】




涙を拭いて前を向いた。

花田が打ってくれるところを、

内海が走ってくれるところを、

見逃したくない。




篠岡が足を上げて前に重心を向けた瞬間、


「セカンド走った!!」

「初球!?」


篠岡の投げたボールはわずかにバットの

下を通って新谷のミットに入った。


「――舐めんなッッ!!」

すぐさまサードに投げた。


「ッッ!!」

新谷のボールが良過ぎる。

際どい!!



「ッッ……セーフ!!」


「ッッシャァァアアッッ!!」

「「「「「ナイスラン内海ぃー!!」」」」」
「ナイス内海!!」



内海は3塁でガッツポーズをした。

アルプスで一緒に応援していた内海の

あんなガッツポーズを見たのは初めてだった。



打席に入っている花田も

内海に向かって笑顔を見せている。


そんな中、

出されたサインは―――スクイズ…。


内海の足を見せ付けたすぐの場面、

新谷や篠岡、健が意識してないはずが無い。

花田は素直に受け付けて打席に構えた。





「「「「!!!???」」」」


それでも聞こえたのは、

やけにデカイ金属の快音。



―――――……カキキィィイイィンンッッ!!!!















「「「「スクイズだ!!」」」」


「「「「「「!!??」」」」」」


花田はバントの構えから元の

ヒッティングに戻した。




「「「「「「バスター!!!!??」」」」」」




―――――……カキキィィイイィンンッッ!!!!





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