青空の下で投げた一球【編集中】
『4番 レフト 高宮くん 背番号12』
高宮ッッ!!
この前の練習試合で、
高宮が俺に言った。
『今日はありがとうございました。
河野さんを見て、悪い所がわかった気がします。
試合までには直せるように頑張ります』
最初、何が起きたか分からなかった。
だって高宮はポジション違うし、
篠岡にぞっこんで
実力が違い過ぎて、
俺なんかゴミたと
思ってるのかと思ってたから。
―――――驚いた。
ボールカウント1ー3
バッティングカウントだ。
高宮、打て!!
「!!」
――――スクイズッッ!!??
―――…サインは出塁。
水畑さんが2打点だ。
俺が足りなかった物は、
『闘争心』。
今のままで十分だと思ってた。
いつ、誰に食われるかわからない。
もしかしたら今まで馬鹿にしてた奴に
食われるかもしれない。
もしかしたら違いポジションの奴に
食われるかもしれない。
『恐怖心』と『闘争心』。
篠岡さんや水畑さんがいなくなったら
誰が最大の得点源だ?
――――……俺だ。
俺は最後までスタメンでいるぞ。
今の自分に満足すんな。
「―――…スクイズだッッ!!」
「―――…ッッ」
「!!??」
「プッシュだッッ!!」
(プッシュ:バントの少し強い打球。)
「「「上手いッッ!!」」」
「ッッ!! 笹本ッッ」
――――…パシンッ
「アウト!!」
「………。」
「ナイスキャッチ笹本♪」
「豪キモい」
「酷ぇ―――……」
―――あのファースト、上手いぞ。