青空の下で投げた一球【編集中】




「大悟、間ぁ開けるか??

投げすぎだろ」


目の前で俺の球を受けていた

草野翔太が言った。



「んー…もぅちょい」

「今日調子いいんだから慎重にな」

「んー…。」





マウンドには篠岡が置いた

ボールが置いている。


上がりたいな。

マウンドに―――…



試合に出たい。

この雰囲気の中、投げたい。

勝利に貢献したい。




―――――…篠岡が羨ましい。



本当はこんな事、思っちゃいけない。

エースは篠岡だ。

俺は保険だ。


夏までに篠岡に勝てなかったから

俺は保険の投手だ。


試合は、勝てる奴が投げるんだ。





「大悟、間ぁ開けるぞ」

「?? 何で」

「んな集中してねぇ奴に投げさすか」

「してる。」

「してねぇ」



もぅ少し投げさせてくれたって

いいじゃないか。


ぶーと不貞腐れていると翔太が呼んだ。




「絶対マウンドに上げてやる」




何を根拠に言ったのか分からないけど

翔太は強く言って俺は「うん」とだけ

答えた。




「俺がベスト状態で上げてやる」


そぅ言った翔太は嫌だ。


自分はグランドに行かないみたいな言い方

どうせなら2人で行こう。


だなんて考えている俺は馬鹿だ。

でも翔太を行かしたいって思った。

最後の夏。

世話になった翔太を

試合に出したいと思った。




強くは願わないから、


思わせて、

想像させて、


俺と翔太が、

グランドにいる姿を―――……






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