青空の下で投げた一球【編集中】




「ん、あーそぅ言えばさ、

昨日の新聞みた??」


食器を片付けながら2人に言うと

2人とも横に顔を振った。



「新聞、けっこう大きく書いてたよ」

「「マジで!?」」


2人に新聞を見せると

2人ともビックリしていた。


だって今まで試合結果しか

載っていなかったんだ。


なのに写真が載っているわけではないけど

試合の状況が新聞には載っていた。


篠岡の好投、健の負傷、高宮の大暴投…。

2日前の事が載っていた。


「すげぇー新聞に載ってるよ!!」
「すげー初めてだよなぁ!!??」
「初めてだって!!」


と、興奮しているみたいで、

篠岡に関しては新聞をくれ!!

とまで言ってきた。


昨日の新聞だしあげたけど…。




朝食も食べ終わって練習服に

着替え終わると家を出た。


もちろんユニフォームを持って。


返さないとな…。












学校に行くと、

後輩達はすでに準備を完璧にしていて

そんなに遅くに来たんだって思った。


「(番長出勤……;;)」


何だかいけない事をした気分だ。


3年生はほとんどの人がいた。

一番谷もいたし花田もいた。

山田も田中も新谷もいたし、

和田も草野も下田も岬もいる。


ベンチのナインは全員いる。

スタメンで2年だった馬場はもちろんいる。


でもいないのは――高宮―…。


誰もいないのを言わなかった。


会わせる顔が無いのか、

怒られるのが恐いのか。


凄い選手だけど、

昨日の試合で心の弱さを知った。


本当はもの凄くプレッシャーには

弱かったのかも知れない。


本当はストレスに

なっていたのかもしれない。


4番打者としての重圧が、

高宮には重すぎたのかもしれなかった。







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