青空の下で投げた一球【編集中】
episode:12
夏休みは終わった。
俺は夏休みの間に東京に行った。
大学に、セレクションを受けに行った。
甲子園に出た。じゃなくて、
『甲子園で優勝した』人がいっぱいいた。
ベンチにも入ってなかったと言うのが
恥ずかしかった。
でも実力は出せたと思う。
そこの大学は山木さんが教えてくれた大学で
みんな強く見えた。
たぶん見えたんじゃないけど。
俺は東京の大学に。
健は隣県の短大に。
信之介は市内に就職。
美波は市内の専門学校に。
各自もぅ受験する学校や、
就職する職場を決めていた。
そして篠岡は
プロ出願届けを出す事を決めた。
山木さん曰く、
今の篠岡の実力では登録は無理らしい。
育成選手ならありえるけど、
球団が篠岡を指名するかは分からない。
指名されなかった場合は
篠岡も市内に就職するらしい。
各々が別れ道を決めていた。
今まで一緒にいた奴らが
いなくなると考えると
急に悲しくなってきた。
でも別れは絶対にある事だから。
でも永遠の別れじゃないから…。
連絡取り合ったら別れじゃないから…。
慰めるみたいにそぅ言い聞かせていた。
学校が始まって2日。
俺が毎日やっていることは――…
「おー声出せ声!!」
「ズルすんなぁ!!」
「ヤル気無いなら帰れ!!」
もちろん野球――…
「河野プリント終わった?」
…――ではなくて勉強。
しかも練習場のベンチでだ。
そこに机を置いて勉強をしている。