青空の下で投げた一球【編集中】
「ちわっ!!」
大きな声に反応して
後輩のみんなはあいさつを返す。
「よっス大地」
「今日だったっけ?」
「昨日来てねぇじゃん」
「覚えてないし(笑)」
篠岡はプロ入りも考えてるけど、
篠岡自身、
プロ入りが際どいっていうのが
わかっているから2日に1回。
交代で勉強の日と野球の日を作っている。
篠岡曰く昨日は勉強の日だったらしく、
今日は部活に参加した。
服装は制服のまま。
「遅かったな」
「あぁ〜ちょっとな」
「…ふーん」
篠岡が何か隠すのって珍しい気がする。
訊かれた事は何でも
ポンポン答える人でもない。
上手くかわす事の出来る人間だ。
なのにあんな下手な答え方をするのは珍しい。
「大地は何やってんの?」
「数学」
「2年の問題じゃん」
「あぁ。ちょっとここわかんなかったから」
「ふ〜ん」
「篠岡できんのかよ」
「数学はできるかなぁ…」
「英語はボロボロだけどなっ」
「マジそれ言わないで…;;」
篠岡は俺の隣で着替えて談笑したいた。
「そーいえばな、俺らのクラスの奴等が
ブラバンの公演見に行こうってさ」
「珍し、何で?」
「今まで応援してくれたし、
ほら、この前の大地と投げ合ったときも
演奏してたしさ」
「あぁそっか。」
あの時のことを思い出した。
初めて応援してもらった時の事。
ドキドキして嬉しさで顔がにやけていた。