青空の下で投げた一球【編集中】




「車、先約がいるから

空いてる篠岡んとこ行け」



突き放すのは、嫌いだからじゃない。

試してるんだ。

コイツが新チームの主軸になれるか。



「…………はぃ。」



高宮は篠岡に頼んで、

おじいちゃんにも頼んで

車に乗せてもらっていた。



「………。」

ほらな。

篠岡はちゃんと

考えて行動してくれる奴なんだ。

努力した分だけ、返してくれる。






「何気酷いッスね、河野さん。」

「うっせぇーぞ基」


俺の車には基が乗っている。

軽自動車の俺ん家じゃぁ両親に俺の3人。

あと1人しか乗せられなかったから

中学の時からの後輩の基が

遠慮なしに両親に訊いたから

堂々としてる基。




「何したいのかは分かってますけど

やってんの河野さんだけじゃないッスか?」


「ンな事ねぇよ、篠岡もしてるし

新谷も何気田中もしてるしな」


「………。
そんなに愛人に頼ってたらダメッすよ。

周りの俺らも、腐る奴等出ますよ。

どぅせ見られてないんだからって。」


「そんな奴いんだったら

そいつはそこで止まるよ。

目立ちたいなら強くなればいい。」


「…………。」


「基もだぞ。

高宮と同じ気持ちでいけよ。

3番打ってんだから」



3年対後輩での試合でも

基は3番を打っていたけど

結果は3-0

この前の秋季大会でも

タイムリーの1本と、

単打2,3本だったかな?

とにかく『3番打者じゃなかった』



「頑張れよ」

「はい。」




高宮にはこれからも

気持ち厳しくして

プレッシャー掛けていこう。


プレッシャー受けてた事は

今後絶対無駄にならないから。

プレッシャーに強くなれるから。



――――高宮、頑張れ。






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