青空の下で投げた一球【編集中】
ピッチング練習は
すでにブルペンは綺麗に整備された後で
使うのも気が引けたから
持って来ていたタオルで
ピッチング練習をした。
「(重心…)」
―――ブンッ
「(リリースポイント…)」
―――ブンッ
「(ないせん…)」
―――ブンッ
気にする個所は多い。
直さないといけない癖もある。
やる事がいっぱいなんだ。
俺は早く…支配下登録してもらわないと
いけないんだ。
「…っはぁ…はぁ…」
なぜかしんどくて、
目を強く瞑って無意識に空を見上げた。
「………じぃちゃん…。」
じぃちゃんは……
今の俺見たらどぅ思うかな?
両親が共働きで俺の世話はできなくて、
俺はじぃちゃんの家でしばらくの間、
暮らしていた。
両親が迎えに来たけど
親なのに親を『恐い』と感じた。
なぜかは知らないけど、
両親の事を恐いと感じて、
じぃちゃんもばぁちゃんも
俺をちゃんと育ててくれた。
両親との思い出はない。
写真で見ただけだ。
しかも写真は数枚だけ。
俺が産まれたその日だけ。
だから、俺も両親に会いたいとか、
そんな想いは無い。
俺はただじぃちゃんと、ばぁちゃんに
恩返しがしたいんだ。
いっぱいいっぱい活躍して、
いなくなる前に笑顔いっぱい見たいんだ。