青空の下で投げた一球【編集中】
「………なぁ」
『……ん?』
俺の声のトーンで気付いたのか
大地は真剣な声で返事をした。
「約束、覚えとるか?」
『…覚えてるよ…。』
「中継ぎ、どの場面でしとる?」
『だいたい勝ってる場面とかで投げてる』
「だったら明日は勝ってもらわんと」
『でも俺でもどの場面で
登板するかわかんねぇからな』
「わかっとる。」
そんなの知っとる。
野球から離れてもそれぐらいはわかる。
「………頑張ってな。」
『……。』
「何だよ…。」
『ぃや、大輔の事だから
「約束守れよ」
って言うのかと思った、から…。』
「まぁ間違っちゃいねぇなぁ(笑)」
『ははっ』
「じゃぁ明日も頑張れよ」
『おぉ。
今から治療して
飯食いに行くからまたな』
「おぉまたな」
「………。」
大地は変わっとらん。
元気で明るくて優しくて一直線で……。
変わっとらん。
俺は……
……どぅ変わったらえぇんかよぉわからん。
今まで野球しかなくて、
今は野球ができんよぉなって…。
俺に……何が残っとるんじゃろ…。
会社から出て車で帰る途中にある
大きなスーパーに寄った。
「(肉食いてぇ…)」
でも焼くのめんどくせぇな…。
どっか食いに行くのも金かかるしな…。
飯食うのに何でこんなに悩んでんだろ…。
「ん……。」
目の前の人を見て気付いた。
「伊藤!!」
俺がそぅ呼ぶと
目の前にいた伊藤は俺に気付いた。