愛する人達へ
出逢い
「今日はめっちゃ若いでー、平均年齢18やって!」常にコンパの主催者である一馬が高い声で叫んだ。 「よっしゃ~!今日こそ決めるで~!」一馬より高い声で叫んだのは、盛り上げ役の卓也といいとこ取りの秋だった。ちなみに秋とは、森本 秋 僕の名前だ。僕達は小学校からの腐れ縁でどんな時も何故か3人で、仲間とか友達とか家族とか、あらゆる絆で表せない、 深くて太い3人だった。それぞれが波乱万丈な生き方をしてきた。青春時代、それぞれの青春時代だけで一冊の本が書ける位な生き方をしてきた。が、共に25歳の夏、やはりまた3人で過ごしていたんだ。
その日は凄く暑くて、まさに運命の日にふさわしい満月が、まるで僕達3人を引き裂くような赤い色をしていた。
「初めまして、美優です。18です、趣味は特にありません、、 まぁ よろしくです」一馬の仕切りで自己紹介が始まった、何故か女の子からで、何故か名前と年と趣味だけ。いつもと同じように始まった。
2番目の自己紹介なのに少し恥ずかしそうなあなたを僕は見ていた。赤い光があなたの髪を照らし、僕は恥ずかしいそうな、あなたに釘付けになった。 「初めまして美咲18歳です。
趣味は、、特にありません。」僕はあなたの顔をずっと見ていた、「はい!秋です!25歳男性!趣味は特にありません!僕は美咲に一目惚れしました!皆さんよろしく!」
「こら!抜け駆けはあかんで~順番は厳守してください!」
「みんなこいつはいいとこ取りの秋ちゃんって、みんな騙されたらあかんで~!それとこいつは仕切りたがりの一馬、別に一馬の言う事は聞かなくてもオッケーやからね!で俺が温もりの卓ちゃん、よろしく!じぁあ次の彼女、よろしく!」
いつもと同じような流れで自己紹介が終わり、いつもと同じようにコンパは始まっていた。でもこんなに満月が赤いのと僕のいつもと同じセリフがこの日だけ真実だった事は、いつもと違っていたんだ。そう あなたとの運命の出逢い。そして、切っても切れなかった。3本の絆が崩れ始めた運命の日。
僕はあの赤い満月を忘れないだろう。
< 2 / 3 >

この作品をシェア

pagetop