恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「あっ――」
花びらが警察官の掌から風で舞い上がった瞬間、
声を出してしまった私は、顔を桜色に染めた。
栗色の髪を揺らすあの人と
視線が重なったから――
どきどきと鳴っていた胸の中に突然津波が来たように、
私の胸の中は手のつけられない状態になった。
咄嗟に顔を窓の下に隠し蹲った瞬間、自分がパジャマ姿であることに気づいた。
うそ~~!!
大きな岩が頭の上に落ちてきたように、気持ちがドーンって落ちた。
も~、どうしてパジャマなのよ!
見られた?
見られたよね?
……絶対。
気持ちが落ちても、胸の音は消えなかった。
どきどき
どきどきって……。