恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
ほっとした私に、おまわりさんが歩み寄りながら言った。
「ねぇ、なんかよそよそしくない?」
「えっ?」
首を傾げるおまわりさんを見上げた私の顔が、急に熱を帯びた。
よそよそしいって……
それって恋人同士なのにってことだよね?
今まで嬉しいって気持ちでいっぱいだったのに、
急に『恋人』って意識しちゃったよ……。
「け、けど私……まだよくわからなくて」
目を泳がせてる私の耳に、おまわりさんの顔が近づき呟いた。
「一晩一緒に過ごした仲なのに?」
「えっ!!??」
一瞬のうちに顔が真っ赤になった私に、いたずらな笑みで舌を出したおまわりさん。
「今朝、俺のこと笑ったお返し!」って微笑みながら言った。