恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
女子高の秘密
「おはよう!」
チャイムと同時に教室に入った私。
今日も滑り込みでセーフって思ってたら、担任の鈴木先生は既に教室にいた。
「青木、今日もギリギリだな~。
今度遅刻したら俺の部屋の掃除してもらうからな」
新任の若い鈴木先生は、嫌みのない笑顔でプリントの束を丸めて私の額をコツンと叩いた。
も~、間に合ったんだからいいじゃない。
脹れた顔で席に着く私に、クラス中の視線が向けられた。
「ねえ、鈴木って美樹には優しくない?」
「えっ、そんなことないよ。叩かれたし……」
隣の席の親友の智子に言われてる意味が全然わかんない。
「だーかーら、それが優しいって言ってんの。
あんなふうにちょっかいかけられてるの美樹だけだよ?」
「そうかな~。私はほっといてほしい」
叩かれた額を触りながら智子に言った。
だって、私はおまわりさん以外に興味ないから。