恋 時 計 ~彼はおまわりさん~



お母さんの言葉が、胸に沁みた。



恋って素敵。


たとえどんな形でも……。




私とおまわりさんの恋を、お母さんが素敵って言ってくれてるように思えた。





「もう寝るね。おやすみなさい」



お父さんとお母さんの「おやすみ」っていう声を背中に、私は階段を上り部屋に入った。



部屋の明かりをつけた私は、目の前のカーテンを少し開けて空を見上げた。


太陽はないけど、まんまるい月が顔を出してる。



夏の夜風を胸に吸い込み、月の光を見ている私の顔を、突然小さな光が照らした。



わっ、眩しい!!




咄嗟に目を瞑り掌で目を隠した私は、ゆっくりと光が射してる方を見下ろした。



そこには、おまわりさんが立っていた。




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