恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
私はおまわりさんに向かって、大きく口を動かした。
「オシゴト ガンバッテネ!」
優しく微笑んで敬礼をしたおまわりさんは、ライトを消してパトカーの運転席に乗った。
車のドアが閉まる音と同時に、交番の扉から警察官が出てきた。
だるそうにあくびをしながら助手席のドアを開ける警察官。
おまわりさんは、あのおじさんと巡回するんだ……。
いいな、私もおまわりさんの助手席に乗ってみたい。
頬杖をつきながら警察官を眺めていると、その警察官が私に視線を向けた。
やばい!!
部屋の明かりでこっちは丸見えだ……。
私はすぐに上半身を窓の下に隠した。
ドキドキしながらパトカーのエンジン音が遠くなっていくのを聞く。
はぁ~、ビックリした。
けど、こんなに焦る必要なかったよね。
今までだって、よくこの窓から顔を出して月を眺めたりおまわりさんを見てたんだから。
この日の夜、私はおまわりさんとのデートにどんな服を着ようか考えながら眠った。