恋 時 計 ~彼はおまわりさん~



今までの不安があっという間に消えて、私はいろんな服を手に取って見た。



「こっちにも美樹に似合いそうな服あるよ!」


「ほんと!?」



友達と買い物なんて久しぶり。

小学生の時に遠足に持っていくおやつを買うくらいしかなかった。


女の子同士買い物をするってこんなに楽しいんだね。



私は智子にすすめられた服やスカートをいくつか試着した。



きっと一人で買い物に来てたら、こんなにたくさんの服を試着しなかったと思う。


お洒落な服を見つけても、きっと『私には合わない』なんて諦めモードで眺めるだけだったと思う。




私達は、一時間近くはしゃいで服を選んだ。


結局買ったのは白いワンピース。


大きめの襟とウエストをきゅっと結ぶリボンがかわいくて気に入った。


腕がまるまる出ちゃうのが恥ずかしいけど、智子が「似合ってるよ!」って絶賛してくれて、嬉しくてその勢いで買ったんだ。






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