恋 時 計 ~彼はおまわりさん~



買い物を終えた私達は、近くの喫茶店でパフェを食べながらいろんな話をした。



智子の彼氏の拓也くんが誕生日にくれた服のセンスは良かったってことや、

もうすぐ行われる学園祭のこと。


時間が経つのはあっという間だった。



パフェを食べ終わると、智子が私を見てにっこりと笑った。



「ん? どうかした?」


「うん、なんか嬉しいなって……」


「え……?」



口を拭いたナプキンを細く丸めながら、智子が言った。



「美樹と買い物したり、学校以外でこんなふうにお喋りするなんて今まで無かったから。

なんかさ、ほんとの親友になれた気がする。おまわりさんのおかげだね」


「智子……」



ふふっと笑い、まるめたナプキンをテーブルに置いた智子。



私も智子と同じ気持ちだよ。

智子と仲良くなって、本当の気持ちを話せるようになれて嬉しい。



「私も嬉しい。智子がいてくれて良かった。ありがとう……」






< 157 / 712 >

この作品をシェア

pagetop