恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
いつもより念入りに歯と顔を洗い、髪をポニーテールに結ぶ。
そして、いつもよりちょっとだけ濃い化粧をして、何度も鏡でチェックした。
大人のおまわりさんとデートをするんだもん。
ちょっとは大人っぽくなりたい。
全身が準備万端になった私。
おまわりさん、ちょっとは綺麗って思ってくれるかな……?
駅に行くにはまだ早いよね……?
ソワソワと落ちつきがなくなった私は、リビングのソファに座った。
「あら美樹、お洒落しちゃってデートにでも行くの?」
「えっ……う、うん」
お母さんの質問に答えた私は、顔を真っ赤に染めた。
親にデートをするって知られるだけで、なんだかものすごく恥ずかしくなる。