恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
終点のバス停で降りると、小雨だった雨はすっかりとあがり青空が広がっていた。
「どこに行くんですか?」
私はおまわりさんの顔を見上げる。
私の視線に気づいたおまわりさんは、私の顔を覗き込みながら口を開いた。
「こんなところに連れて来られて不安?」
「う、ううん!」
悪戯な笑みを見せたおまわりさんに、首を大きく横に振った。
街から離れた大きな森林。
確かに、急にこんな人気のないところに連れて来られたら不安になるかも……。
けど、おまわりさんと一緒なら怖くない。