恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「雨の後になると、魚たちは餌を求めてああやって跳ねるんだよ。
踊ってるみたいだろ?」
「うん。楽しそう。
私、こんなところに湖があるなんて知らなかった」
「小さいからね。けど綺麗だろ?」
「うん、すっごい綺麗。空が近くにあるみたい」
しゃがんだおまわりさんと私の顔が湖に映り、目を合わせて微笑んだ。
優しい瞳のおまわりさん。
私の大好きなおまわりさん。
そのおまわりさんの瞳が、ゆっくりと私の顔に向けられた。
私は高鳴る鼓動を感じながら、おまわりさんの視線に顔を向ける。
狭くなってゆく私の視界の中には、おまわりさんしか映らない。
目を閉じた時、おまわりさんの柔らかい唇が、私の唇に優しく触れた。