恋 時 計 ~彼はおまわりさん~


首を傾げた私に、おまわりさんが口を開いた。



「『おまわりさん』は卒業しない?」


「え……?」



目を丸くした私を見て、おまわりさんは恥ずかしそうに少し赤くなった頬を指先で擦りながら言った。


「そう呼ばれるのは嬉しいけど、名前で呼び合わない?」



おまわりさんを名前で呼ぶ……?



急に恥ずかしくなった私は、おまわりさん以上に顔を赤くした。



名前で呼び合うなんて、当たり前のこと。


だけど、私はずっとおまわりさんって呼んでたから……。




「呼んでみて」


ドキドキしている私の顔を、悪戯をするように覗き込むおまわりさん。



わ~~、どうしよう。

そんなふうに言われたら、余計呼び難いよー!!




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