恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「おっおまわりさんじゃだめですか……?」
俯きながら視線をおまわりさんに向けると、おまわりさんはにっこりと笑って言った。
「いいよ。けど、おまわりさんって呼ばれる度キスするよ?」
うわぁ~!! おまわりさん、それは反則だよ!!
そんなこと言われたら、もうおまわりさんって呼べない。
いや、ほんとはキスされたいんだけど……。
私は赤い頬を膨らませた。
「いじわる……」
「えっ、誰が?」
「宮本さんが……」
「あれ? 俺の名前忘れちゃった?」
とことん私を追い詰めて、楽しそうに笑みを浮かべるおまわりさん。
私は胸一杯に酸素を吸い込んで、おまわりさんの名前を口にした。