恋 時 計 ~彼はおまわりさん~



勢いのまま感情を警察官にぶつけようとした。


だけど、本当にそれでいいの? ってもう一人の自分が私の行動を止めた。




今私が口を出したら、きっとこの警察官はもっと変な目でおまわりさんを見るようになると思う。


色眼鏡をした人はどんな言葉を聞いても、結局自分の気持ちしかわかろうとしない。




私は唇を噛み締めながら、警察官の足音が遠くなっていくのを聞いていた。





私が原因なんだよね……。


私がいる限り、おまわりさんは昔のように色眼鏡で見られてしまう。



同遼の警察官があんなふうに思うんだもん。

きっと世間はもっと厳しいはず。



たぶん、おまわりさんはこうなるってわかってたんだね。


だから、さっき私と付き合ってるって言わなかったんだね。





鈴木先生が言ってたとおり。


私の考えが甘かったんだ……。




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