恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「美樹ちゃん?!」
私の前に立って私の顔を見ようとするおまわりさん。
私は涙ぐんだ顔を見られたくなくて、下を向いた。
「もう、やめましょう? 今日一日で疲れちゃいました。
年の差ってやっぱり越えられない」
私の言葉に、おまわりさんが静かに口を開いた。
「本当にそう思ってる?」
悲しげな声が、私の胸を締め付ける。
「思ってます」
こんな別れ方、したくない。
「わかった……」
おまわりさんの手が、私の腕を離した。
もう触れることのない
おまわりさんの温もりと一緒に……。