恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
家までの帰り道、
空の色や街の景色……
視界に入る全てがどんなものだったのか覚えてない。
ただひたすら走って、
ひたすら泣くのをこらえて、
今朝、喜びいっぱいに出た家を目指した。
逃げ込むように自分の部屋に入ると、大粒の涙が勝手に頬を伝ってきた。
熱い涙が、いくつも零れる。
好きだよ……
好きだよ……
好き……
好きなのに、どうして……
行き場のない想いだけが、涙となって流れる。