恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
智子の温もりの中で、優しく囁くような声が聞こえてくる。
「おまわりさんと、何かあったんだね……?」
私が頷いた瞬間、熱い涙が頬を伝い智子の制服を濡らした。
「屋上に行こう」
智子に手を握られて、私達は屋上に向かった。
「ごめんね、ホームルーム始まっちゃうのに……」
「何言ってんの! ホームルームなんかよりこっちの方が大切でしょ?」
智子の優しさが、ストレートに胸に沁みる。
私は昨日の出来事を全て智子に話した。
楽しかったデート
初めてのキス
あの警察官の言葉……
おまわりさんを傷つけたくない想いが、私の心に強くあること。
智子は時々相槌を打ちながら、最後まで聞いてくれた。