恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「智子、話を聞いてくれてありがとう」
「当たり前でしょ? 親友なんだから」
私に顔を近づけて言う智子に、私は笑顔で頷いた。
「もう授業始ってるね」
「そうだね、教室に戻る?」
お互い腕時計に目を向けた後、視線を合わせてにやっと笑った。
「「サボっちゃおうか!」」
二人の声が重なり、吹き出して笑った。
屋上にあるわずかな日陰に寝転び、二人で青い空を見上げる。
「眩しいね」
「うん」
おまわりさんと別れても、昨日と変わらない空。
空って眩しい。
眩しすぎるよ……。
私は空から隠れるように、両腕で顔を覆った。