恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
今日から学園祭の準備が始まり、放課後は残って看板造り。
私のクラスは、屋台でかき氷を売ることにしたんだ。
売りながら食べられて、涼しく過ごせるからって。
だけど、そんなみんなの考えは甘かった……。
「あ~、上手く釘が刺さんないよ~!」
金槌なんてめったに使わない私は、炎天下の中悪戦苦闘中。
作業は全く進んでないのに、汗だけが落ちていく。
屋台の看板造りがこんなに大変だなんて、予想外だよ。
こんな時、共学だったら男子がササッとやってくれちゃうんだろうな……。
地べたに腰を下ろすと、大きな溜め息が出た。
「智子、そっちはどう?」
「こっちも上手く刺さんないよ~」
一緒に看板を造ってる智子も、弱音を吐いて腰を下ろした。
「あ~あ、こんな時、男子がいてくれたらなぁ」
智子も私と同じ考えらしい。
「だよね~」
顔を見合す私と智子。
気づけば、私達の周りにいたクラスメイトも大きく頷き、座り込んでいた。