恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「不安だよね。美樹の気持ち、わかるよ……」
私の手を握り、静かに言葉を口にした智子。
智子の優しい眼差しを感じて、私はゆっくりと顔を上げた。
「ごめんね」
「どうして美樹が謝るの?」
「だって……」
智子は優しいね。
こんな臆病な私、見ててイライラすると思う。
なのに智子は、いつも私を思ってくれてる。
私の立場にたって、一緒に考えてくれてる。
「ねっ美樹、携帯返してもらってカラオケ行こっか」
「えっ?」
「誕生日なんだから楽しもう! ねっ!?」
「うん」
私は涙ぐんだ瞳で智子に頷いた。
智子、ありがとう。