恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
先生……
先生からのプレゼントは
おまわりさんに会いに行くきっかけだったんだね……。
携帯をきった後、智子が放心状態の私に質問した。
「美樹、どうしたの?」
驚きのあまりすぐに答えられない私は、智子の携帯をぎゅっと握った。
「美樹?」
「……行かなきゃ」
「え?」
「おまわりさんのところに行かなくちゃ……」
少しの間の後、私は携帯を智子の手に渡し、先生からのプレゼントが何だったのかを話した。
すると智子は私と同じように驚き、目を輝かせて言った。
「行っておいで!」
私の背中を力強く叩いた智子。
私は目を潤ませて大きく頷づいた。
どんな顔で会ったらいいかなんてわからない。
どんな言葉をかけたらいいかなんてわからない。
だけど、おまわりさんのところに行かなくちゃ。
おまわりさんのところに――
会いに行きたい。
私は先生と智子に背中を押してもらい、おまわりさんが居る交番へ走り出した。