恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
告白
息を切らせながら交番の前に立った私は、空を見上げて大きく息を吸い込んだ。
おまわりさんに伝えよう。
私の想いの全てを。
緊張で冷たくなっている指先で、交番の扉をガラリと開けた。
目の前には……
おまわりさん。
心臓がドクンドクンと波打つ。
数日間会ってなかっただけなのに、とても長い間会っていなかったような感覚に襲われた。
どうしよう……
何て声をかけよう……
小さく震えはじめた掌をぎゅっと握った時、さっきの電話の相手と思われる警察官が私に声をかけた。
「携帯の落とし主ですか?」
「あ……はい」
私の存在に気づいたおまわりさんは、一瞬目を見開き書類を開いている手を止めた。
だけど、すぐに視線を書類に戻し、視界から私の存在を消した。