恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
おまわりさんに視線を向けられないまま、小さく口を開いた。
「あの、少しお話……してもいいですか?」
心臓が大きく波を打ち、ボールペンを握る指先までその振動を感じる。
少しの間の後、おまわりさんが静かに答えた。
「……いいですよ」
よかった……。
私は生唾をのみ込み、ゆっくりと思いを口にしようとした。
「私…… 私ね……」
ああ、何て言おう……。
言葉が見つからない。