恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「青木と井上、少し休んだ方がいいんじゃないか?」
様子を見にきた鈴木先生が心配して声をかけてくれた。
先生の姿に目を向けると、先生の半袖のワイシャツのポケットの中には、他のクラスのイベントチケットがたくさん入っていた。
やっぱり先生は他のクラスからも人気があるんだね。
「先生、自分のクラスのかき氷を食べる前に、他のクラスのイベント行ってたんでしょ~」
先生は、わざとポケットに視線を向けて言う私の額を指先で弾いた。
「担任にヤキモチやいてんのか~?」
「違うよ!」
「なんとか抜け出して来たんだ。勘弁してくれ」
「だから違うって~!」
私は悪戯に笑みを見せる先生に、つい大きな声をあげていた。