恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
時計の針が12時を指し、もうすぐかき氷造りから解放される。
そう思いながらはりきって氷を削っていると、男の声が私と智子に向って話しかけてきた。
「ねぇ、それつくり終わったら俺達と遊ばない?」
驚いて顔を上げると、そこには同い年くらいの複数の私服の男子が笑ってこちらを見ていた。
誰? この人たち……。
智子の顔を見ると、智子も私の顔を見て首を傾げてる。
「ちょっとだけでいいからさ、学校案内してよ~」
これってもしかして、ナンパというやつ?
ニタニタと笑う男達を目の前に、私は嫌悪感を覚えた。
「かき氷買わないなら避けて下さい。
他のお客さんの迷惑になります」
はっきりとした口調で話す智子に、私は驚きながらも心の中で拍手を送った。