恋 時 計 ~彼はおまわりさん~


「あっ、あれやりたい!」


隣のクラスがやってるヨーヨー釣りを見つけた智子がテントを指さして言った。


「よっしゃあ! 俺得意っ!」


拓也くんの自信満々の言葉に、智子は「ほんとに~?」って笑顔を向けて言った。



「おま……私たちもする?」

「うん」



『おまわりさん』と呼びかけた言葉を止めた。


やっぱり警察官だって知られるのは良くないかな……って一瞬脳裏に過ぎったから。


おまわりさんを困らせるようなことになったら困る。

考えすぎって思われるかもしれないけど、女子高って小さなことが大きな噂になって広がりやすいから慎重になっちゃうんだ。



「拓也、下手だよ~」

「なに~、もう一回!」


先にヨーヨー釣りを始めた智子たちは、拓也くんが何度も失敗していることで逆に盛り上がっていた。



智子たちの後ろで順番を待ってるおまわりさんと私。

ただ立ってるだけなのに、智子たちの向いで座ってる女の子たちの視線が気になっちゃう。


可愛い顔の女の子が上目使いでおまわりさんを見てるんだもん。




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