恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
熱くなってる私の額におまわりさんが額を重ね、ゆっくりと口を開いた。
「俺、美樹ちゃんのこと大切に思ってる。
だから、これ以上のことは高校を卒業してから」
「卒業してから……?」
「うん、そう決めてたのに……
俺ってやっぱり男だね」
恥ずかしそうに笑みを見せたおまわりさんを見たら、なんだか胸の中にあった羞恥心が消えていった。
嬉しい……。
おまわりさんの思いが、
体を重ねなくても胸に染み込んでくる。
「じゃあ、高校卒業までのお預け、だね」
「うん」
額を重ねたまま微笑み合うと、おまわりさんの前髪が私の額をくすぐった。
なんだかとてもくすぐったい。
胸の中までくすぐったいよ……。
優しいキスをした後、私たちは手を繋いで校舎を後にした。
おまわりさんとお化け屋敷に入って、
中庭でカラオケ大会を観て、
たくさんの人たちの中で、私たちは2度目のデートをした。
眩しい太陽が、そんな私たちを照らし続けていた。