恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
温もりの中
修学旅行から帰った私は、急いで学校から家に向かった。
家に荷物を置いたら、おまわりさんの家に行こう!
その思いが私の足を、ヒョウのように速く走らせる。
ヒョウって言っても、そんなに走るのが得意じゃないヒョウね。
私、足遅いから……。
おまわりさんが居ないとわかっている交番の前を走りぬけ、我が家の玄関目がけて走る。
ああ、荷物が重い……。
お土産を買いすぎたせいだ。
肩からずり落ちそうになったボストンバックを手で支えた瞬間、肩から岩を乗せていたような重みが消えた。
えっ、何……?
「おかえり」
振り返ると、そこには大好きなおまわりさんの笑顔があった。