恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
重なる視線と戸惑う心……
もう、ありのままの自分をさらけ出したい。
私はおまわりさんの胸の中に顔を埋めた。
「会いたかったよ、おまわりさん……」
「俺も……」
優しく抱き締めてくれるおまわりさんの温もりは、とても温かかった。
風が冷たくなり、秋が終わりを迎えようとしているから?
そうじゃない。
とても愛しい人の温もりだから……。
おまわりさんの唇がそっと私の唇に触れる。
私は『もっと』とせがむように、足のつま先に力を入れて唇を押しあてた。
ずっと会いたかった。
ずっと触れたかった。
電話の声だけじゃ物足りなかった。
少し開いた私の唇に、おまわりさんの舌がゆっくりと動きをみせる。
私はその舌を、待ち望んでいたかのようにすぐに口の中に招き入れた。