恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
近づく距離と私
教室に着いた私の鼓動は、相変わらず高鳴ってた。
智子、早く来ないかな……。
人を待つなんて今までなかった。
誰かに聞いてほしい思いなんて、今までなかったから。
けど、おまわりさんと会話した日、
一人では抱えきれない想いを誰かに聞いてほしいと思った。
ううん……
智子に聞いてほしかったんだ。
高校で知り合った智子とは、出席番号が隣ってだけでただなんとなく仲良くなった。
なんとなく一緒にいる時間が長くなって、お昼ご飯も一緒に食べるようになった。
けどね、知らず知らずのうちに、心の内側を話すようになったんだ。
今思えば、きっかけはおまわりさんだったのかもしれない。
おまわりさんのことを智子に話すようになってから、智子との距離が縮んだような気がする。
智子に会いたくて、私は毎日学校に来るようになったのかもしれない。