恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
真暗なクリスマス
今日は終業式。
鈴木先生から成績表を手渡され、その中を目にした私は愕然とした。
「嘘……」
「嘘じゃないぞ。冬休みに跳び箱の補習授業をするから必ず来いよ」
そんな~!
せっかくの冬休みに……
大嫌いな跳び箱をするために学校に来るなんてあり得ないよ~!
「先生……それは強制ですか?」
「アホ、補習をすることを条件に2にしてやったんだ」
先生にボールペンで頭をコツンとされた私は、頭を擦りながらため息をついた。
ずっとおまわりさんと一緒に過ごそうと思ってたのにな……。
「わかりました……」
私は俯きながら自分の席に戻り、成績表をじっと見つめた。
どんなに見つめても念じても、数字の2は3に変わらない。
こんな時、魔法が使えたらどんなに楽だろうって思ってしまう。
補習かぁ……
跳び箱が出来なくったって生きていけるのに……。