恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
真っ暗な闇に包まれたクリスマスイヴ。
イヴが過ぎても、暗闇は消えなかった。
どれだけ時間が経っていたんだろう……。
お父さんは手術を終え、感染を防ぐために無菌室に運ばれた。
一命は取り留めたけど、これからの時間が勝負。
もし火傷した皮膚が感染したら……
その時は命を落とす可能性があると医者に言われた。
私たち家族とおまわりさんは、ガラス越しにいるお父さんの痛々しい姿に目を向けた。
「お父さん、頑張って……」
眠ったままのお父さんに呟いた。
頑張ってなんて言われなくても、お父さんは懸命に闘ってる。
だけど、頑張ってという言葉しか見つからなかった。