恋 時 計 ~彼はおまわりさん~



「大丈夫。お父さんは強い人だよ」


「うん……」


「大丈夫」



おまわりさんは強い眼差しでお父さんを見つめ、私の手を握り締めた。





『大丈夫』



その言葉を信じ、私はおまわりさんの手を握り返した。




そうだよ。

お父さんは約束したもんね。


いつかまた、おまわりさんと一緒にお酒を飲むんだって。


とても嬉しそうに言ってたもんね。




あの笑顔……

もう一度見せてよ。









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